#cubase_otita ので 10 Pro にアップグレードした

まえがき

  • 当記事は Unagi DTM Advent Calendar 2020 の記事です。
  • ※個人の感想です。また、内容の正確性については保証できません。ご了承ください。

この記事は

  • Cubase 7 Artist から Cubase 10 Pro にアップグレードしたら痒いところに手が届いたというお話です。

あらすじ

DTM 全然わからん頃に Cubase 7 Artist を買って、気がついたら5年ほど使っていました。

しかし、

このように、いい感じの時に落ち。たまにプロジェクトファイルごと飛んでいってしまうのでした。

その度に我々は #cubase_otita で呟いて、上書き保存をこまめにしなかった自身の行いを反省するのです。

今思うと節々に重くしていた原因が思い当たるのですが、去年の私は「アップグレードはすべてを解決してくれる」くらいに考えていたため、Cubase 30th アニバーサリーセールにあわせてノリでアップグレードを決意しました。(Cubase シリーズ、30 年も続いているの...?)

ついでに VariAudio も使いたかったので、奮発して Pro エディションにしました。黒色かっこいい。

ということで、1 年ほど Cubase 10 Pro を使った感想と、個人的に便利だと思ったところをまとめました。

よかったとこ

チョット落ちにくくなった

VSTBridge が 2016 年に開発終了していたため、Cubase 9 から 32bit プラグインが全部ブラックリストに。実質使えなくなりました。

VocalShifter の VST プラグインなど、代用効かないものもそこそこありましたが、時代の流れなら仕方ないということですっぱり諦めました。

すると、なんということでしょう。Cubase が落ちなくなりました。お前だったのか。

まあ考えてみれば 32bit プラグインを仮想環境で動かしてるようなものなので不安定ですよねということ。

ただ全くというわけではなく、1 日 1 回くらい落ちます。BFD3 や BIAS AMP を読み込んだときの挙動が怪しいので、今度再インストールしてみたいと思います。

また、シンセ兼 MIDI キー として YAMAHA MX61 を使用しているのですが、Cubase 起動後に電源を投入するとまず認識されませんでした。これは MX61 のリファレンスマニュアルにも書いてあるので仕様ですね。

これが Cubase をアップグレードしたところ、後から電源を入れても認識されるようになりました。シンセが不慮の電源断で Cubase まで道連れにすることが多かったので、これは非常にありがたいです。

VariAudio 3(Cubase 10 Pro)

Cubase 版の Melodyne で、オーディオを解析してピッチやタイミングの補正をすることができます。 ギターを録音して、ちょっとだけタイミングがずれているとかであれば波形を切り貼りしてできるのですが、音の長さが違うとそうはいかないので、こいつが大活躍します。

ただ 200% の長さにしたりすると補間処理で違和感がでるので、使いすぎると崩壊します。 インプレイスレンダリングとのコンボで、 VOCALOID トラックの補正が最高に楽。

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VOCALOID トラックを VariAudio で解析するとこうなります。カラフル

今までオーディオミックスダウンでソロで書き出し、VocalShifter でピッチ補正をして、読み込んでからエフェクト掛け... なんてことをやってましたが、こいつで全てが解決しました。Cubase 最高。

ただ、ピッチを手書きする機能はないので、あとから抑揚を変えたいっていうのはできません。VocalShiter はいいぞ。

以前から Pro エディションには付属していた VariAudio ですが、バージョン 3 になって機能が追加されています。 例えばオーディオアライメント、これは多重録音したオーディオのタイミングをいい感じにあわせてくれます。

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オーディオアライメントパネル。歌詞があるとより精度が上がるみたいですね。

まだあまり使えてませんが、いつか録音したギターで使ってみたいですね...

インプレイスレンダリングCubase 8 で追加)

選択した範囲のインストゥルメントトラックだけをオーディオミックスダウンして置き換えてくれる機能です。 今までは逆再生ピアノを作るにも、

  1. ソロで書き出し
  2. エクスプローラから読み込み
  3. トリミングしてエフェクト適用

って手順だったので、だいぶ楽になりました。

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上の BFD3 トラックも下のオーディオに化けます。

あとから VOCALOID のここだけ修正したいとかいうときにも真価を発揮します。

Insert エフェクトは適用してから書き出すか、書き出し後のトラックにコピーするかを選ぶことができますし、置き換えた後、元のトラックはミュートされるなどアフターケアもバッチリ。優勝です。

ダイレクトオフラインプロセシング(Cubase Pro 9.5 で追加)

私はギターが壊滅的に下手なので、BPM 半分で録って倍速に...ってズルでもしないと一向に曲ができません。以前はオーディオに複数処理をかけたらレンダリングされ、後から変更はできませんでした。

なんと、この機能を使えばいつでも取り消せます。どうやら元のデータを保持しておき、処理に変更が加わったらミックスダウンするようです。

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オーディオにタイムストレッチして逆再生させるなどが楽々になりました。

サブ効果としてCPU 負荷が軽減されたり、プラグインを持っていない他の人でもエフェクトが適用された状態の音が聴けたり。あまりメインで使いませんが、Insert エフェクトと使い分けられたら強いんだろうなーと思っています。

Mix Console のスナップショット(Cubase 10 で追加)

曲の仕上げで、フェーダーなど変えて Mix が崩壊することがあります。(ありません?) ここは Ctrl+Z も使えないので、何度も地獄を見ることになりました。

Cubase 10 からはスナップショットをとっておくことで、Mix Console だけをいつでも戻すことができます。 これで心置きなく前衛的な Mix に挑戦できますね。Steinberg わかってんじゃん。

オーディオミックスダウン

.mp3 ファイルの書き出しは Cubase 7 Artist には対応しておらず、「Steinberg MP3 Upgrade Patch」なるものを購入する必要がありました。お値段 ¥2690- と、絶妙。 当時これをケチった私は .wav ファイルをいちいち変換しなくてはならず、結構めんどい思いをしました。(Cubase 7 Pro・Cubase 8 以降はデフォルトで付属しています)

最近よく Discord を利用しますが、Nitro に加入しないとファイルサイズ制限が厳しいので、手軽に .mp3 に変換できるのは非常にありがたいですね。

他にも、Pro エディションではトラック毎に分けての書き出しができます。今は使っていませんが、他の DAW を使っている人と合作するときに便利かなーと思っていたりしてます。

UIの変更(Cubase 9 で追加)

プロジェクトの中でウィンドウが固定配置できるようになりました。 今までは MIDI を編集しようとすると新規のウィンドウが開き、Enter でウィンドウを閉じるって操作でした。あまりにも斬新。

一生画面内を漂っていたかと思われたトランスポートパネルも、同じく固定できるようになりました。 最近はショートカットを覚えて消してたのですが、やはり固定位置にいると実家のような安心感があります。

AeroSnap を使うと...

Windows 8 から、AeroSnap というウィンドウサイズを変えてくれるやつがあります。NO AEROSNAP NO LIFE.

これを Cubase でやると下のタスクバーと被ってしまうという問題が報告されていて、ちょっと困ってしまいました。実用上はほぼ問題ないですが、見た目が🤔

Cubase 10 pro issues with Windows 10 and taskbar on top - www.steinberg.net

まとめ

主観で特に嬉しかったものを書いてみましたが、まだ Cubase の機能で使いこなせてないものは山ほどありそうです...。もし、これ便利だよーという機能があれば是非ご教授ください。

しかし、こうやって挙げて調べてみると、Cubase 10 Pro でいきなり良くなったというより、それぞれのバージョンで少しずつ改善されてってるという感じがしますね。

今後も 1 ユーザーとして、より良い DAW を作ってくれるよう応援したいと思います。

Cubase 11 について

11 月 11 日に Cubase 11 が発表されましたね。日付狙ってたんでしょうか。

本記事の趣旨とはちょっと外れますが、よさげな機能がたくさんあったのでちょっと紹介します。 他のサイトのほうが余程詳しいと思うので参考程度に。

MIDI CCの変更

今まで曲線ツールでピッチベンドなどのコントロールチェンジを書いても、曲線を近似した値をいれてくれるだけでした。 これが 11 からなんと、ちゃんとカーブがかけるようになったとのこと。だいぶスッキリしそうです。

Imager, Dynamic EQ の追加

Ozone いらんのでは...? じき Master Assistant 機能も搭載されそうな勢いですね...

サンプラートラックの追加

LFOやスライスが操作できるようになったみたいです。 強化されたらしい音源と Squasher と併せて EDM を作れということでしょうか。

その他

  • 中間グレードの Cubase Artist 11 に付属するようになったとのこと。あれ、私が Pro 買った理由の半分がなくなってしまった...?
  • コード等、グローバルトラックが MIDI シーケンサーに表示できるようになりました。
  • スケールの色がシーケンス上に表示されるようになりました。逆にスケールのサジェストもしてくれるとのこと。賢い。

これ以上書くと買ってしまいそうなので、この辺にしておきます。それではまた次の記事で。